2020.05.01組織作り

戦略人事とは?導入にあたっての課題や成功事例をご紹介

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戦略人事とは

「戦略人事」とは、従来の組織人事に対し、これからの人事に必要とされる役割として提唱されている言葉です。これを聞いて「今までの人事を改革する必要がある」と意識する方も多いのではないでしょうか。また、「まずは意味や概要を詳しく知りたい」という方もいるでしょう。

この記事では、「戦略人事」とはどのような人事への考え方を指すのか、また導入に際しての課題や具体的な事例についてご紹介します。

戦略人事とは?

戦略人事とは、旧来の人事制度の「人を管理する」という性質を超え、経営戦略による企業目的・目標の達成を重視した「企業を伸ばし、価値を高める」ための人事を指します。

ちなみに戦略人事とは略称であり、正式には「戦略的人的資源管理」といいます。

戦略人事の4機能

戦略人事には、具体的な目標達成というミッションが課されます。そのために必要になる「戦略人事に求められる4つの機能」は、以下の通りです。

HRBP(HRビジネスパートナー)

人と組織を活用した戦略に関し、企画立案から実行までを担う機能もしくは人材です。自社の経営戦略を深く理解し、成功に向け実行するためには欠かせない存在です。

CoE(センターオブエクセレンス)

HRビジネスパートナーを支える役割を持ち、採用にかかわる計画をはじめ人材に関連した制度の設計や開発を行います。

OD&TD(Organization Development & Talent Development)

日本語では「組織開発&タレント開発」と呼び、ODは組織を向かうべき方向に導く役割、TDは組織が理想に向かうために必要な人材を育成する役割を持っています。

OPs(オペレーションズ)

CoEが企画立案した仕組みを、実務として取り扱う役割です。採用活動に関する実務をはじめ、採用した人材のフォローや管理、給与や労務の管理などを行います。

導入にあたっての課題

導入にあたっての課題

戦略人事を導入し企業目標の達成につなげることは、日本の企業社会においては課題が多いとされています。ここではその理由や、戦略人事導入に必要なものについてご紹介します。

日本における戦略人事導入の難しさ

日本の人事制度といえば、昭和の高度成長期から続く終身雇用制度が今も根付いている点が大きな特徴です。この意識が労働者側にもいまだ浸透しており、現代におけるビジネスの個別戦略化や即時対応に追い付かない状況が深刻化しています。

このため、日本で戦略人事の導入を図ろうとしても、求められる専門性の高さや要改革分野の幅広さなどで、困難を感じてしまう企業が多いといわれています。

戦略人事を取り入れるために何が必要?

戦略人事の導入に欠かせない要素を人事サイド・経営サイドからそれぞれ挙げ、以下にご紹介します。

【人事サイド】

・経営者の視点で動ける人事責任者

「CHRO(人事最高責任者)」という役員ポジションを用意し、経営会議の一員として加わってもらうことも一案です。

・すべての人事担当者が経営戦略を理解すること

インフラを維持し人材を管理することだけではなく、人事に携わる人すべてが経営戦略を理解し、課題解決や目標達成に向けた対策を意識して動くことが大切です。

【経営サイド】

・経営戦略・事業戦略を具体的に明示し、意識すること

経営戦略・事業戦略とは、具体的には「会社として何を成し遂げたいか」「事業でどのような結果を求めるか」ということです。経営側が戦略を常に意識し、現状抱える課題に沿って戦略人事の基盤を設けなければなりません

戦略人事の成功事例

戦略人事の成功事例

日本では戦略人事を取り入れることが困難と先に述べましたが、国内企業で戦略人事を導入し、成功させている事例がいくつもあります。

1.適性や希望を活かす人材配置で業績を伸ばす

いち早く戦略人事に取り組んだ国内大手IT企業は「適した能力を活かす人材配置」で、「伸ばせる事業を伸ばしたいスタッフの力で伸ばす」ことに注力しました。定期的に従業員の希望や興味関心をヒアリングし、異動の希望を随時受け付けるなど柔軟な人事システムを構築して、従業員自身の働きやすさと業績の両立を図っています。

2.人材評価システムを一元化し業績向上を図る

ある国内大手電機メーカーでは、人材評価システムの見直しを軸にした戦略人事に取り組んでいます。人材評価に関する個別データをデータベース化し、事業所単位でまちまちだった育成・評価システムの全社統一を図りました。これが結果を生み、経済情勢に左右されがちな海外売上高の大幅な向上を実現しています。

おわりに

ビジネスにおける環境は、ここ数十年で大きく変化を遂げました。それに対する人事制度の改革は、必要性が叫ばれながらも、まだ旧来の刷新が進んでいない状況といわれています。

戦略人事に取り組むことは、目標の達成や企業価値の向上に加え、リーダーの社内育成や従業員の定着など付加作用も生み出します。会社の競争力向上を視野に入れ、戦略人事の実践に取り組むことを検討してみてはいかがでしょうか。

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