2020.04.16組織作り

再雇用制度とは?賃金問題や制度活用の注意点について

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再雇用制度とは

再雇用制度について、すでに取り入れ活用を進めている企業も多いでしょう。一方スタッフの年齢が若く、再雇用制度についてはまだ検討段階にあるという企業もいるかもしれません。

そこで今回は、社員が定年退職する予定がある会社なら押さえる必要のある「再雇用制度」について、その概要や意識すべき課題、うまく活用するポイントについてご紹介します。

再雇用制度とは?

再雇用とは、「いったん退職した社員を同じ職場でもう一度雇用すること」を指します。従来も退職した社員を再雇用する機会はありますが、ここでは定年退職にともなう「定年後再雇用制度」の意味合いで用いられるケースについてご紹介します。

いったん定年退職するものの、再度同じ職場に雇用されること

定年退職した社員を、同じ職場でもう一度雇用することを定年後再雇用といいます。2013年に厚生年金の受給開始が65歳へ引き上げられたことと、同年施行の「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」によってそれを制度化したものが「定年後再雇用制度」です。年金受給開始の65歳を迎える前に定年退職した社員が、受給開始まで無収入となることを回避する目的で設けられました。

定年後再雇用制度では、65歳未満を定年とする会社で定年退職する社員が再雇用を希望した場合、その全員を再雇用することが義務付けられています。なお、定年後再雇用制度で再雇用された人が働き続けられる期間の上限は、満65歳までとなっています。

勤務延長制度との違いは?

「定年後再雇用制度」と混同されやすい制度として「勤務延長制度」が挙げられます。勤務延長制度では、定年を迎える社員を定年退職扱いとせず、延長の形で65歳まで従来と同様の勤務を継続します。こちらの場合は一度退職することがないため、60歳が定年であってもそれを65歳まで引き延ばすものと考えると良いでしょう。

再雇用にあたっての課題

再雇用にあたっての課題

65歳までの雇用継続が義務付けられたことで、多くの企業が再雇用制度を取り入れています。

しかし、定年退職者を再雇用する際にはさまざまな課題も存在します。再雇用に際しての主な課題を知っておき、対策を講じることも重要です。

再雇用する場合、雇用形態が変わる場合が主体

定年後再雇用制度の対象となるのは正社員ですが、再雇用となれば最長でも65歳までの期限付きの雇用となります。そのため、再雇用の時点から契約社員やパートタイムに雇用形態が変わる場合が主体です。雇用形態がパートタイムに変わった場合、賃金そのものも正社員の頃と比較して下がることが多くなります。

同一労働同一賃金の原則に従うことが急務となる

労働契約法20条に代わり、2020年4月に施行予定の「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」では、契約社員とパートタイム従業員を同じ扱いとする条項が盛り込まれます。中小企業に対しての施行は2021年4月と1年遅れますが、再雇用によって雇用形態が変わっても仕事の内容に変化がない場合は新法に則った措置が必要となります。同一労働同一賃金の原則に基づき、就業規定などを見直すことが必要となるケースもあるでしょう。

再雇用制度を上手に活用するためには?

再雇用制度を上手に活用するためには

定年を迎えても体力・労働意欲ともに現役世代と変わらない方も多い昨今、企業側でも元気なシニアの戦力維持を図る取り組みが必要でしょう。

以下のような方法を検討するなどし、再雇用制度のポジティブな活用策を考えていきましょう。

・再雇用人員の経験や技能を評価し、それらを活かす業務に就ける仕組みを整える

・新たなスキル習得への意欲が高ければ、学ぶ機会を提供する

・専門家に相談し、新たな法令や時代に即した賃金体系への早期見直しを図る

再雇用労働者の賃金低下が指摘される機会が依然多いのですが、不当な労働条件・労働環境の悪化は違法となります。定年後も生き生きと活躍できる職場をめざし、自社内に課題があれば積極的に解決や見直しについて考えていきましょう。

おわりに

今回は、再雇用制度の中でも定年退職者を対象とした定年後再雇用制度を取りあげ、概要や活用のポイントなどをご紹介しました。

近い将来「人生100年時代」の到来が示唆され、従来の定年制も再考の余地があるといわれてきました。現在はその過渡期にある状況ですが、継続雇用制度の整備はそれが具体化されたものの1つといえます。再雇用制度を足かせと考えず人材不足対策や健康長寿の促進に活かし、企業価値の向上にもつなげていきましょう。

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