2017.01.20組織作り

人事が産業医との面談を設定する基準とは?産業医の役割について

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どの職場にもストレスなどが原因で、体調を崩している社員がいると思います。社員一人一人の健康は組織全体のパフォーマンスにも大きく影響するため、企業は社員の健康管理に努めなくてはなりません。
健全な労働環境を維持するため、長時間労働者から申し出があれば産業医などの医師による面談、一定規模の事業所では産業医の選任が法律で義務づけられています。今回は、産業医の役割と産業医との面談を設定する基準についてご紹介します。

産業医とは

健康で快適な作業環境で労働者が働けるよう、健康管理や指導、アドバイスなどを行うことが産業医の役割です。産業医の具体的な職務は以下の通りです。

【産業医の具体的な職務】
・健康診断や面接指導を行い、結果に応じた措置を取る
・作業環境の安全、労働者の健康管理に必要な措置を取る
・健康教育や相談、労働者の健康保持・増進のための措置を取る
・労働衛生教育に関するアドバイス・指導を行う
・労働者の健康障害の原因調査・再発防止の措置を取る

産業医は医師であることに加え、厚生労働大臣の指定する者(日本医師会・産業医科大学)が行う研修を修了するなどの要件を備えた者から選任します。

産業医の選任義務

常時50人以上の労働者(雇用形態は問わない)を使用する事業所は、産業医の選任が必要です。労働者数が50~3,000人の事業所では1人以上、労働者数が3,001人以上の事業所では産業医を2人以上選任しなければなりません。

なお、労働者数が50~999人の事業所では、嘱託(非常勤)の産業医を選任しても構いません。ただし、常時1,000人以上の労働者を使用する事業場および、常時500人を使用し、労働安全衛生規則第13条1項第2号に掲げる事業の場合は、事業場専属の産業医の選任が必要です。

長時間労働者への医師による面接指導

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面接指導とは、問診などで労働者の心身の状況を把握し、状況に応じて面接による指導を行うことです。面接指導の対象者は、長時間労働によって疲労が蓄積し、健康障害の発症が懸念される労働者です。就業場所の変更や労働時間の短縮など、事業者は面接結果に応じた事後措置を講じます。

面接指導制度について

産業医などの医師による面接指導は、労働安全衛生法によって定められた制度です。長時間労働と脳・心臓疾患には強い関連性があると考えられており、面接指導制度は発症予防のために設けられました。なお、面接指導の際には、うつ病などの精神疾患発症を予防するために、メンタルヘルス面についても配慮された面接が行われます。

面接指導はすべての事業場が対象

従来、常時50人未満の労働者を使用する事業場は、医師による面接指導の義務がありませんでしたが、平成20年4月からはすべての事業場で実施を義務づけられています。なお、面接記録は5年間保管しなくてはなりません。

人事が面接指導を設定すべき基準

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医師による面接指導を実施する基準は2つあります。

1つ目は労働者からの申し出があった場合です。時間外・休日労働時間が月100時間を超える場合は医師による面接指導、時間外・休日労働時間が月80時間を超える場合は面接指導または面接指導に準ずる措置を取ります。

2つ目は事業場ごとに基準が決められている場合です。この場合は労働者からの申し出とはかかわりなく、基準に達している場合に実施します。

おわりに

長時間労働は労働者の心身の健康を害する恐れがあるため、十分に注意する必要があります。労働者から申し出があれば、産業医などの医師による面接を速やかに実施しましょう。また、労働者が自分の労働時間を確認できる仕組みづくり、申し出のための様式作成・窓口設置なども重要です。

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